我々は農業のデジタル化に取り組んでいます。
デジタル化しコンピュータ上で表現する理由として、Cyber-Physical System (CPS)、あるいはデジタルツイン (Digital twin)の概念があります。デジタルツインとは、現実世界の物理的な対象を電脳空間(デジタル空間、サイバー空間とも呼ばれる)に再現する技術です。
簡単に説明すると、例えば現実空間(Physical space)で何ヶ月もかかる栽培実験や飼育実験を、電脳空間では様々な環境条件で短時間のうちにシミュレートすることができます(シミュレーション結果が実際の実験結果と合致するかどうかは別問題ですが)。
ただし、有益な知見を生むシミュレーションを構築するためには、しっかりと現実空間の事象を電脳空間に反映させることが必須です。そのために、IoT機器(ネットワークと接続された温度センサ、湿度センサ、動物に装着した行動計測機器など)から取得される環境情報やwebカメラなどから得られる2次元画像が利用されますが、我々は、人間の認識と同様の3次元情報に着目して研究を進めています。
また、農に関連する事柄は、ときに我々に癒やし体験を提供してくれます。そこで我々は農の"魅力"をデジタル化することで、農業の持つ魅力をより多くの人々に伝えることも目指しています。